リネンの機能性、リネン・ポリフェノールについて リネン・ポリフェノール繊維 + 柿渋
リネンの特徴、その素晴らしい機能性については改めて言うまでもありませんが、当店に来られるお客様の多くがますますリネン好きになられます。
リピーターになって頂いている事実からも、リネンの持つ魅力が大きいことが伺い知れます。
その魅力を支えるのが、リネンの繊維の独特の構造と、ポリフェノールによる高い機能性です。
リネンは呼吸します、吸湿性、速乾性に優れている。だから手洗いや入浴・洗髪のあとも、リネンのハンカチやタオルは素早く水分を吸収し乾かしてくれます。とくに生成りのリネンは、水に濡れたところが一瞬で判るので、乾いている部分で、身体や髪の毛の濡れているところを拭えるのでとても効率的です。
また乾きやすいと言うことは、室内干しでも、雑菌が繁殖する時間が短く、生乾きの嫌な臭いが抑えらるという効果があります。
リネンは、ナチュラルもホワイトも、いろんな色に染めても美しい。
またリネンの程よい硬さの繊維は、お肌をマッサージするような効果があり、毛細血管の血行をよくします。
リネン繊維そのものにも抗菌性があり、よってアレルギーを起こしにくい性質もあります。それで夏の暑い季節でも、汗臭さを感じさせにくく、黴などの原因による皮膚病を起こしにくくし、傷の回復を早める作用もあるようです。
リネンは、また静電気を帯びにくい繊維でもあります。暑い時には冷涼感があり、寒い時でも暖まりやすいものです。
リネンは、プラスチックなどの人工的なものの対局にあって、自然そのものを体感することができます。(人類の祖先がアフリカの森から草原に出たときに、臥所にしたのは草だったでしょうね。それも理由なのか)リネンは、生活の身の回りの全てに、衣類や寝具、バス・トイレ、キッチン回りも、居間のカーテンや装飾品や建築材料(床材のリノリウムや断熱材など)にも用いられますし、人間の生活全般にわたる広い用途があり、一緒に暮らしているとなんとも自然なリラックス効果が得られます。
リネンはタフで、長持ちします。そしてその美しさは変わりません。
リネンは、紫外線もよく吸収するので、皮膚も健やかに保ちます。
農作物としても、リネンは、乾燥地でも低温でも育つことが出来る、とても強靭な植物で病害虫も寄せ付けにくいので、農薬もほとんど使用されません。リネンは、何百年も何千年も人間と共にあって、その植物、亜麻(学名: Linum usitatissium)は学名の通り、もっとも重要、役に立つ繊維であります。
古来、亜麻という植物から採れるリネンは、主にヨーロッパで人々の生活を支えて来ました。私たちはリネンの高い機能性を支えるポリフェノールのリグニンに注目しました。そのリグニンは柿渋のリグニンでもあります。それを応用しての柿渋染の文化は、日本をはじめとする東アジアに根ざした伝統です。
リネンを柿渋で染めてみました。これは西洋と東洋のライフスタイルの出会い、と言ってよいでしょう。どちらも昔からあるもので、人々の日々の衣食住と労働・生産を、健康面、快適性、 美しさにおいても、数千年間も支えてきたものです。そしてその素晴らしい相乗効果に気が付きました。
リネンを柿渋で染めますと、美しい色合いに染まるだけでなく、 リネンの繊維のセルロースが、柿渋のポリフェノールのリグニンでコーティングされ補強されます。古いくたびれた繊維に柿渋を施しますと、リフレッシュされ、また新たな魅力を伴って生まれ変わります。
リネンにも柿渋にも、高抗酸化性と抗菌性があると言われますが、これはどちらにもリグニンというポリフェノールの成分が含まれているからです。当社の製品のリネン布にも、それを柿渋で染めた製品にも、実際にそれらの高い機能性があることが証明(カケン:財団法人日本化学繊維検査協会での分析)され、エヴィデンスとなりました。人体で過剰になると生活習慣病やアトピー発症などの原因となる活性酸素への抗酸化性を表す指標の数字は、標準の綿布に対して、リネンの生成りが5.7倍、リネンの白が4.3倍、リネンの柿渋染めが5.1倍にもなっています。抗菌性についての指標は、リネンの白が1.6倍あり、柿渋染めをすることで2.4倍になりました。
このポリフェノールの抗酸化と抗菌の機能により、リネンそのものにも、またその柿渋染めにも、細菌の増殖を抑え、皮脂の臭いのもととなる過酸化脂質を抑制し、お肌を快適に清潔に保つということが、科学的に説明できます。
これはブルーベリーのポリフェノールのアントシアニンが視力回復に、ウコンのクルクミンが肝臓に良いとされているのと同じように、植物のポリフェノールは、それぞれの働き、機能性があります。さらにポリフェノールには紫外線もブロックする役割があります。
リネンと柿渋を身に付けることは、さしずめお肌へのポリフェノールのサプリメントといえます。人間の最大の臓器とも言われる皮膚、お肌をリネン・ポリフェノールが、酸化や細菌、紫外線から守る機能性があります。
リネンも柿の栽培も、農薬はほとんど使用されません。化学繊維のようにマイクロプラスチックになって海を汚すこともありません。(マイクロプラスチックが汚すのは海洋だけでしょうか?私たちの身体も一つの小さな海なのでは?)
私どものリネンや柿渋染めの製品はお肌に密着する繊維として、自然に備わるポリフェノール効果により人間の健康と快適な生活に役立ち、やがて見事に自然に還ります。
このように、植物100%のリネン・ポリフェノールは、環境にも人体にも役立ち、生産者の経済も潤し、長持ちするので消費者のお財布にもやさしく、まさにLOHAS(健康で持続可能な生活様式)な農作物の繊維です。
同じポリフェノールの柿渋とのコラボは、植物繊維の機能性においても、東洋と西洋の文化の出会いで、新しいものが生まれそうな予感がします。
私どもでは、リネンの布を柿渋に染めての製品作りも始めました。